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工作機械の歴史➁ 201105

教育2020/11/09

工作機械の歴史➁

1937年 日中戦争が勃発
      工作機械輸入が困難
        ↓ 
      国を挙げて工作機械の開発・製造に取り組む
1938年 工作機械製造事業法が成立(1946年に廃止)
1939年 第二次世界大戦
1940年 米国が工作機械の対日輸出を許可制(事実上の禁止)
      輸入が断たれる→国中の機械メーカーに
              頼らざるを得なくなる

 日本は未熟な国内工作メーカーを頼りに、戦争用兵器を作って
 米国連合国を相手に太平洋戦争を戦うことになった
 
 軍事用の工作機械の需要に対して、最新鋭外国工作機械の模倣
 施策による技術水準の向上を行った。
 大手5社(池貝、唐津、新潟、大隈等)が工作機械製造許可を
 受け(減税優遇)、高品質の工作機械を製造した→技術が向上した
 「工作機械試作奨励金交付規則を制定」

1940年 米国の工作機械対日輸出許可制に対抗し、
      「総動員試験研究令」
1941年 「最新鋭外国機械の模倣試作令」
      ×;輸入 〇;国産→外国製を模倣
                ≪奨励金≫

 1937年→1939年まで輸入が3.7倍

1945年 第二次世界大戦まで外国製機械の模倣で、技術力を磨き、
      国防のための軍需工作機械を作り続けた

≪軍部の動き≫
 1931年 満州事変
 鉄砲、弾丸、魚雷、航空機、エンジン等の効率的な製造、艦船の
 機関類の品質向上が求められた→高性能、高精度
 工作機械の需要が益々高まった
 →国内での研究、試作、生産が求められた
 海軍が必要とする工作機械は、独自に研究開発すべし
 1939年に広島県廣工廠に工作機械実験部が新設された
 部員は軍人+メーカーの技術者
 戦艦の主機タービン用減速歯車切削のライネッカー社製ホブ盤、
 シース・デフリース社製ホブ盤が設置
 ・増台しようとしたが、第二次世界大戦勃発により果たせず、
  廣工廠で開発
    ↓
  芝浦工作機械に送られた
 ・マーグ型歯車切削盤
  三井精機+安川電機+NTN共同開発
 ・ヘラー社の倣いフライス
  魚雷部品の生産
 ・トルノス型自動盤 
  完成前に終戦
 迫りくる戦火のもと、自力研究、開発の余力はなく、高精度工作
 機械の模写が主な任務であった

≪民間の動き≫
政府の指定工場
・大日本兵器株式会社
 海軍航空本部から、航空機搭載用20mm機銃を受注
 →スイスの鉄砲、工作機械メーカー「エリコン社」と製造販売権契約
  翌1937年に18人の技術者を招き、技術指導を受けた
  課題は「フライス盤、各種研磨盤の国産化+量産化」
 当時、世界一流の工作機械メーカースイス「エリコン社」から技術の
 初歩段階から学んだ(外国の技術者から全面的に依存して、優秀な製
 品を作る試みは日本に前例が無く、後続もなし)
 →国立機械試験所の厳しい検査でも成績優良の認定を受ける高性能の
  機械を多数製作した

・池貝鉄工所
 ドイツのVDF旋盤を輸入して研究し、まったく同じ旋盤の製作を目
 指す(技術提携なし)
 3年間の試作性能実験の後、池貝式D20型旋盤として発表
 月産20台の生産計画(量産体制)
 ・鋳造技術、熱処理、焼き入れ歯車加工等、新技術を開発
 ・外国製ベッドウェイグラインダー、ギヤシェーバー、ジグボーラー
  等を導入

自分の仕事に取り入れたいこと

 特に取り入れることはなかったが、歴史の流れとして覚えておこうと
 思った

 昔の工作機械は外国の方が優れていたが、今ではトップクラスになっ
 ているので、すごいと思う

 海外からの工作機械の輸入が難しくなったことと、軍需の拡大で日本
 の工作機械メーカーの技術水準が向上したことを知れた

 日本の技術は本気で他国の技術をマネすることで、大きく向上してき
 たことが分かった。我々も他社の良いところはしっかり吸収し、マネ
 の出来ないような技術も身に付けるべきだと思う。

 何とかして技術力の向上へ向き合う姿は真似すべき所だと思う

 輸入した機械と模倣して製造した機械の比較を見たいと思った

 
 
振り返り・今日の学び

 昔は工作機械が戦争兵器を製造する機械であったのに驚きを感じた

 ピンチをチャンスに変える

 1930年代から1940年代に日本が国産工作機械の開発、製造
 に力を入れていたことが知れた。外国メーカーの模倣するのが主だ
 ったが、どの程度の性能差があったのかを知りたい

 戦争はない方が良いが、日本の工作機械は戦争下の状況にあったか
 らこそ、大きく進歩することができたことが分かった

 1937年から1945年頃までの国内工作機械の歴史を学んだ。
 戦時中の大変さの中で、技術力を向上させようと官製も民間も頑張
 っていた。

 戦時中の日本の工作機械の歴史を学んだ。輸入した機械を使用する
 ことから、国を挙げて輸入した機械を模倣しての開発に取り組むこ
 とに変化していった。